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集字帖


先日湯澤先生が手作りの集字帖を見せてくださいました。

全て手書きで製本もご自分でなされてあり、それはそれはとても美しいものでした。湯澤先生が大学時代の頃はまだコピー機がなく先生から集字を全部しなさいと言われると、このようにまとめられたそうです。自分の作品の基調とする古典本を全て自分の使いやすい辞書を作るのです。辞書を作ることによって「この字は何ページに書いてある・・・」と自然と頭に入っていきます。コピーで集字する私でさえ頭に入るのですから、手書きですとさらに細かく頭に残ると思います。湯澤先生は今でも学生さんに集字は手書きで!と話されるようです。”の”からはじまるページだけでも何ページもありました。湯澤先生も私と同じようにご結婚、ご出産、子育てを経験されており、家事も仕事ももちろんしながら、このような集字帖を作っておられたのです。薄い古典本なら3日ぐらいで作ってしまうと話されていました。すごい集中力です!

集字をコピーで済ませている私・・・恥ずかしくなります。

表紙はカレンダーやデパートの包装紙!湯澤先生はセンスがおありで、とても不必要とされた紙で作られたのだなんてわかりません。糸で丁寧に仕上げられており、「売ってください!」と言いそうになってしまいました。香紙切と継色紙は私も集字帖作りたいな・・・。

この集字帖を活かして半切に大字仮名で創作していきます。この字はやめてこちらを使おうとか、変体仮名を多めに?少なめに?などとこういうときに集字が頭に入っていると、同じ和歌でも色んなパーターンができ、色んな作風に変わります。

作品創作はただ書くだけでなくここまで辿り着くまでにたくさん考えられているのです。石山切基調の作品素晴らしかったです。またお会いして色んなこと聞かせていただきたいです。

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